薬剤師国家試験
先日日本の薬剤師国家試験の結果が出ました。
母校の先生に結果を送っていただいたのですが、母校の結果はというと
私は結局日米で2回国家試験を受験したわけですが、日本とアメリカでシステムや問題の傾向などかなり違いがあります。
アメリカの薬剤師免許は州ごとに定められており、州を移動する場合免許を移さなければいけません。ただし現在はアメリカの薬剤師国家試験=NAPLEX (North American Pharmacist Licensure Examination)は全州で共通ですので州を移動する際に薬剤師国家試験を受験する必要は大抵(様々な条件が州によってありますので受けなおさなければいけない場合もあります)ありません。
NAPLEXは共通でも各州で薬事に関する法律は異なります。したがって多くの州が採用するMPJE(Multistate Pharmacy Jurisprudence Examination)という試験は州ごとに受験しなければいけません。また、州によっては州独自の法律の試験を実施している州やNAPLEXと法律の試験以外の試験(調剤試験(NY州)や英語試験(MD州))を実施している場合もあります。
私の場合はフロリダ州で薬学部を卒業し、ペンシルバニア州に移動し、またメリーランド州に移動する予定ですのでNAPLEX1回・MPJE3回(各州のMPJE)・メリーランド州に必要な英語の試験の計5つの試験を受けたことになります(メリーランド州はこれからです)。
NAPLEXはコンピューター上で行われ、溜められた問題からランダムに問題が出ます。問題数は約180問(約と言うのは個人によって多少の差があるからです)。150問が採点され、30問前後はテスト問題(採点されません)です。コンピュータですので日本のように1年に1回ではなく休日以外毎日実施されています。仮に落ちた場合はすぐ受けられるのではなく約3ヶ月待たなければいけません(日本の1年よりはましですね)。
試験内容はほとんどが医療薬学です。基礎薬学の問題はほとんど出ません。
薬の名前は成分名と商品名が混合していますので、基本的には商品名も覚えなくてはいけません。
商品名というと日本の場合ジェネリック医薬品にも商品名がついていますが、アメリカの場合"Genric"というのは成分名のことです。例外を除いて特許が切れてジェネリック医薬品として販売されている薬に商品名はついていません。私はこれについては大賛成です。日本にジェネリック医薬品が根付かない理由の一つはここにあるのではないでしょうか?
医師も薬剤師も患者さんもジェネリック医薬品にまで商品名がついていては把握しきれないですよね?!ニュースで日本もそのような方向で動いていると聞きましたが、早くそうなって欲しいものです。
参考にアメリカの薬剤師国家試験の各大学の合格率です。
アメリカのほうが日本より全体的に高いですね。
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コメント
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MMさん、ブログの解説おめでとうございます!
そしてもうすぐPGY1終了、PGY2のCritical Careとどんどんステップアップですね!
私もMMさんに続けるように頑張りたいと思います。
お会いできるのはきっと12月のMidyearですね。
今年はまたラスベガスです!
MMさんのブログを私のブログにリンクさせてもらってもよろしいですか?
投稿: 梅 | 2009年4月 4日 (土) 15時01分
梅さん
梅さんのブログもリンクさせていただきました。これからもよろしくお願いします。
早速のコメントありがとうございます。
12月にラスベガスでお会いできることを楽しみにしています。お互いがんばりましょう!
投稿: MM | 2009年4月 4日 (土) 21時41分
ブログOPENおめでとう!
同名の方の書き込みがありましたので、わかりやすいように『.c』をつけましたので宜しくお願いします。
今年、私の従兄弟も薬剤師になりました(もちろん日本です)。
母校の結果は気になるところですね。
これからもちょこちょこ覗かせていただきます。
楽しみにしています。
投稿: tomoko.c | 2009年4月 5日 (日) 23時52分
tomoko.cさん
書き込みありがとう!
なぜかtomokoという友達が結構いてね。漢字で書くと違う字なんだけど、ローマ字だと同じになってしまうもんね。
がんばって更新していくので楽しみにしててください。
投稿: MM | 2009年4月 6日 (月) 18時25分
MMさんお疲れ様です
日本の薬学部は新制度(6年制)の学生が4年生となり、どこの大学もきっと忙しいこと思います。
それは、5年生で行われる病院、薬局実習のための長期の事前実習を行わなければならないからです。それ以外にもOSCEやCBTなどもあり、学生も大変ですが、教員はもっと大変かと想像します。
日本の薬剤師は大きく変わろうとしていますが、実態はどうなのかといつも疑問を感じています。
6月から登録販売者制度が動き出しますし、薬剤師が必要ない薬局も出てきます。きっと。
走り出してしまった制度ですから致し方ないとして、薬学部が今後どのようになるのか心配です。
MMさんの益々のご活躍をお祈りします。
投稿: Fusan | 2009年4月17日 (金) 04時29分
Fusanさん
いつもコメントありがとうございます。
これからの3年間はどこの大学にとっても未知でしょうからお忙しいことと思います。
しかしながら、6年制が日本にとって臨床薬剤師への第一歩であることであることは間違いないと思いますのでご多忙になるとは思いますが将来の薬剤師のためにもお力添えを頂ければと思います。
投稿: MM | 2009年4月20日 (月) 00時13分