トップページ | 2009年4月 »

2009年3月

2009年3月31日 (火)

Staff PharmacistとClinical Pharmacist

アメリカの薬剤師には大きく分けると2つの仕事があります。
一つ目は"Staff"。該当する日本語が見当たらないのでStaffとそのまま使いますが、基本的には医師からの薬のオーダーを監査することが主な仕事です。
通常アメリカでは医師からのオーダーはすべて薬剤師が監査します。
その際"Staff Pharmacist"は薬の用法・用量・相互作用・禁忌などをチェックします。
薬剤師はパソコン上でほとんどの検査値を見ることが出来ますので、それを元に腎機能や肝機能障害の場合の用量など様々な観点からオーダーを監査します。
また、アメリカはテクニシャンと呼ばれる職業があり調剤は基本的にはテクニシャンが調剤するので、Staff Pharmacistはテクニシャンが調剤した薬をチェックします。

一方、Clinical Pharmacist(臨床薬剤師)はもう少し深く患者の状態を把握しながら薬が本当に適切に使用されているかどうかなどをチェックします。
臨床薬剤師の仕事はアメリカの病院でもばらばらです。
私のいる大学病院ではClinical Specialist(臨床専門薬剤師?)という薬剤師が15名ほどいて各専門性を生かして担当の病棟の患者を受け持っています。
多くのClinical Specialistは病棟回診に帯同し、薬物治療方針への提言、用量・相互作用のチェック・薬学情報の提供などなど薬に関することはすべて請け負っています。
私の病院では
外科集中治療室専門薬剤師 (Surigal ICU)
循環器集中治療室専門薬剤師(Cardiac CU)
呼吸器中秋治療室専門薬剤師(Respiratory ICU)
Ventilation rehabilitation unit専門薬剤師(該当する日本語が分かりません)
胸部心臓外科集中治療室専門薬剤師(Cardiothoracic Surgery)
心不全病棟(HF Unit)
感染症専門薬剤師
内科専門薬剤師
が感染症専門薬剤師を除いてそれぞれの専門薬剤師が病棟を担当しています。

中小の地域病院などではClinical Specialistを置いている病院はまだ少数で、臨床薬剤師は半分Staff、半分臨床などの職があったりClinical Coordinatorという職の人が臨床に関することをほとんど請け負っている場合もあります。
地域病院では一般的には回診がないため、私が知る限りでは臨床薬剤師は以下のような仕事をしています。

①ワルファリンの用量調節
②バンコマイシン・アミノグリコシド系などの薬物治療モニタリングに基づいたトラフ値のオーダーや用量調節
③TPN(高カロリー輸液)の調節
④クレアチンクリアランスに基づく腎排泄型薬物の用量調節
⑤IVからPOへの変更
⑥抗生物質の適正使用
⑦薬物情報提供(Drug Information)

病院によってプロトコールを作成している場合は薬剤師は医師の許可なく上記の調節をすることが出来ます。しかしこれらのシステムは病院によって大きく異なりますのですべての病院が同じことをしているわけではありません。

また臨床薬剤師は病院の委員会に出席したりプロトコールを作成したりもします。

フィラデルフィア地図

フィラデルフィアはアメリカでも有数の大都市ですが、ニューヨークが近いためかあまり日本人が多くありません。そのためこれから来る日本人の方はあまり情報がないかもしれません。
私はフィラデルフィアに住み始めてから1年未満で多くの場所を知っているわけではありませんが、私がよく行く場所をプロットして地図を作成してみました。参考にしてみてくださいね。
フィラデルフィア地図

2009年3月30日 (月)

レジデンシープログラムとは?

アメリカの多くのレジデンシープログラムは、ASHP (The American Society of Health-System Pharmacists:アメリカ病院薬剤師会)に認定されています。レジデンシーは薬学生にとって必修にはなっていませんが、病院就職ではレジデンシー修了を募集要項とする病院が増えてきていることもあり、レジデンシーへの志願者は年々増えています。1年目の研修は臨床薬学一般(Pharmacy Practice)で、1ヶ月ごとに各分野(感染症、内科、集中治療室など)を回ります。2年目は任意となっており、感染症や集中治療室などの専攻を決めて研修します。2007年の時点で1年目と2年目のプログラム合計数は全米で959あり、それに対し1900人が志願しました。その年の全米薬学部の卒業生総数が約9800人でしたから、全卒業生の約20%の学生がレジデンシーへ志願したことになります。そのうち実際約1400人が1年目のレジデンシーに進みました。したがって、すべての希望者がレジデンシーをできるわけではなく、年々競争率が高くなってきています。
今年の結果はASHPのサイトのResults→Statisticsをご覧ください。

出願書類はプログラムによって多少の違いはありますが多くが
①州免許取得可能
②Pharm.D. 学位
③成績証明書
④履歴書(Curriculum Vitae略してCV)
⑤推薦状
⑥小論文(Letter of Intent)
となっています。
この書類選考後、面接が行われます。
出願はマッチングシステムというシステムを使っており、志願者は行きたいプログラムを順位付けし病院側も志願者を順位付けします。
日本の医師臨床研修マッチングと似たようなものになっていると思いますので参照してみてください。

2009年3月29日 (日)

自己紹介

私は現在米国メリーランド州ボルチモアの大学病院でCritical Care Pharmacy Resident(2年目のレジデント)として研修しています。
最近医師の方で臨床留学している方は多いようですが薬剤師の留学はまだまだ少なく、ましてや薬剤師としてレジデントを経験されている方はあまり多くはないと思います。
そこで1年目の研修が終わりかけているこの時期に書くのも如何なものとは思いますが、薬剤師として留学を志している方には情報を共有していただくために、そして日本の薬剤師の方々にはアメリカのレジデントは何をやっているのかを知っていただくためにこのブログを開設しました。
筆不精ですので毎日更新というわけにはいきませんが、少しずつ更新していければいいなと思っています。

最初ですので自己紹介をしようと思います。

私は日本の薬学部を卒業し薬剤師免許を取得した後、調剤薬局に数ヶ月お世話になり渡米しました。最初はワシントン州シアトルのCommunity Collegeに行き、入学に必要な授業を取ってアメリカの薬学部に4年間入りなおそうかと考えていました。しかし、シアトル滞在中にフロリダ州フォートローダーデールのNova Southeastern University薬学部に海外で薬剤師免許を持っている人のためのInternational Programがあることを見つけ入学しました。そのプログラムでは基礎のクラスを取る必要がないので2年半で卒業することが出来ます。卒業後フィラデルフィアにあるTemple University HospitalにてPharmacy Practice Residency(1年目レジデント)を修了し、現在に至っています。

細かい経過は追々書いていこうかと思っていますので今後ともよろしくお願いします。

連絡先: rinshoyakuzaishi(at)gmail.com
(at)を@に変えてください。

トップページ | 2009年4月 »