2010年3月15日 (月)

ブログ終了

最近ブログの更新が多忙のため、全く出来ない状態です。

残念ながらレジデンシーの修了までこの忙しさは続きますので、ブログの更新は出来ません。また、レジデンシー修了後は日本へ帰国いたしますので、ブログを継続する意義がなくなってしまいます。したがって、ブログの更新は本日を持って終了させていただきますが、ブログ自体はそのままにしておきますし、プロフィールにあるメールアドレスはチェックしておりますので、薬剤師留学・アメリカの薬学・レジデンシーに関するご質問がありましたらご連絡いただければ幸いです。

今まで、ご愛読してくださった皆さんありがとうございます。

2009年11月22日 (日)

ASHP ミッドイヤー

12月6日から10日までラスベガスで行われるASHP ミッドイヤーに参加いたします。
もし、このブログをご覧になってくださっている方の中で参加される方がおりましたら、ぜひメールを頂ければと思います。

rinshoyakuzaishi(at)gmail.com
(at)を@に変換してください。

2009年10月18日 (日)

CCU

ずいぶん久しぶりの更新になってしまいました。
前回の更新から2つのローテーションが終わりました。
8月はCCU - Cardiac Care Unit (循環器集中治療室)でした。
CCUには二つのチームがあり、一つは主に心不全の患者さんを担当します。
もう一つは急性冠症候群の患者さんを担当します。
私はACS(急性冠症候群)のチームに入っていました。多くの患者さんはSTEMI、NSTEMIのどちらかでPCIによるステント治療あるいはCABG手術へ行くことになります。
私は学生時代も1年目のレジデント時代もCCUでローテーションをしたことがなかったので、とても勉強になりました。
実際はACSの患者さんだけではなく、不整脈(心房細動・心房粗動)や高血圧性緊急症などの患者さんも担当できました。

では臨床薬剤師はここではどのようなことを医師へ助言するのでしょうか?
まずはガイドラインにそった治療が行われているかどうか。基本的に医師はCardiologistですのでACSなどは治療のプロです。しかしながら、ガイドラインではステントの種類などによってアスピリンの用量やプラビックスの期間などが細かく設定しており、それを医師が見落とすことがあるのでそのチェックなどをします。
またACSの他にも患者さんは糖尿などの既往歴を持っていますのでその薬のチェック。また、入院中に感染症などにかかる患者さんもいますので、その際の抗生物質の選択や用量のチェックなどを主にしていました。もちろんその他もろもろ薬に関することはすべて薬剤師がチェックします。

驚いたことは患者さんのほとんどが、比較的重症ではなかったということでした。テンプル大学病院でのCCUは患者さんのほとんどが人工呼吸器をつけており、重症患者さんが多くいました。しかし、ここでの患者さんの多くは普通に医師と話すこともでき、カウンセリングをすることも出来ました。

次回は9月に行った感染症ローテーションについて書きます。

2009年7月31日 (金)

ローテーションスタート

いよいよStaffingのトレーニングも今日で終わり、来週の月曜日からはローテーションが始まります。
最初のローテーションはCCU (Cardiac Care Unit)ですのでSICU (Surgical Intensive Care Unit)やMICU (Medical Intensive Care Unit)に比べれば重症患者が少なく始めのローテーションとしてはいいのではないかと言われました。
もちろん循環器系ですのでMI (Myocardial Infarction)-心筋梗塞やA Fib (Atrial Fibrillation)心房細動などのガイドラインを土日に見直して準備しなければなりません。

また、10月にはPharmacotherapy Roundsという45分間の講義をしなければいけないのでその準備にも論文を少しずつ読んでいかなければいけません。
このトピックは敗血症に使用されるXigris (ザイグリス)(一般名drotrecogin alfa)の安全性についてです。日本では認可されていませんがアメリカでは使用されています。
昨年の場合はこのプレゼンに相当するCE (Continuous Education)のプレゼンは1月だったのですが今回は10月にあるため準備を早めにしなければいけず大変そうです。

なんにせよローテーションが始まるというのは大変ですがわくわくするものです。
始まりましたらまたこのブログで報告いたします。

2009年7月19日 (日)

研究

現在は毎日Staffingのトレーニング(コンピュータでオーダーを監査する)です。
その合間に研究テーマが決まりました。せん妄に関する研究をすることにしたのですが、せん妄に関してあまり知識がなかったので論文を読んで基礎知識を増やしているところです。
すでにIRBに提出されているので、その書類を少し変更して提出することになるようです。
8月1日までには研究の概要を指導薬剤師提出しなければいけません。

また、昨年も行ったContinuing Educationのプレゼンテーションも決まりました。
45分間のフォーマルなプレゼンなのでこれも準備に時間がかかります。
昨年は1月に行われたのである程度準備期間があったのですが、今年は10月に行われるため準備を急がねばなりません。
相変わらず多くのことを同時進行で行わなければいけないので忙しい毎日となりそうです。

2009年7月 6日 (月)

2年目レジデンシー

いよいよ7月1日から2年目のレジデンシーが始まりました。
1年目のレジデンシーを経験しているのでどんなに忙しいかは予測していますので昨年ほどの緊張はありません。しかしながら、新しい病院でCritical Careのレジデントとして働くということはやはり大変なことでそれによる緊張感は大いにあります。

現在の病院でのレジデントはClinical Toxicologyのフェローを含むと15人と昨年の6人と比べると大所帯です。
1年目のレジデントはPharmacy Practice Resident (3人)、Managed Care (1人)、Community Pharmacy Practice Resident (1人)。
2年目レジデントはCritical Care、 Pediatric (小児科)、Pharmacotherapy (薬物治療)、Psychiatric (精神科)、Transplant (移植)、Plliative care (緩和治療)、Ambulatory Care(外来治療)が各一人です。
本来はOncology (癌治療)もあるのですが今年は残念ながらいません。
ここのレジデンシーの面白いところはレジデントの多くは大学の薬学部に雇われており、私を含む5人のみが病院に雇われたレジデントとなっております。
雇用者が違うと給料やオフィスも違います。
雇用される前はあまり気にも留めなかったのですが、今後いろいろなところに差が出てくるのかもしれません。

今月はオリエンテーションですのでクラークシップは来月からです。
最初のローテーションはCardiac ICUだそうです。お楽しみに。

2009年6月27日 (土)

Pharmacy Practice Residency 修了

先日病院で無事にPharmacy Practice Residency修了証の授与式が行われ、1年目のレジデントが正式に終了しました。
とても忙しい1年でしたが、レジデントの1年が3年から5年の薬剤師の経験に相当するというだけあってとても実のある1年となり多くのことを学ぶ機会となりました。
また1年を通じて自分がCritical Careや感染症に興味があることを再確認することが出来ました。以前は漠然とした好奇心だったのですがローテーションに行くことによって自分の知識がいかに浅はかであったことを認識させられ、同時にCritical Careでもう1年やってみたいという気持ちになりました。

1年目のレジデントが終わった次の日にはボルチモアへ引越し、4日後には2年目のレジデントが始まります。
もう少し休み欲しいところですが、あまり休むとだらけて忙しい毎日に戻ることが出来なくなるので4日くらいの休みがちょうどいいのかもしれませんが。。。

このブログは1年目のレジデントの終わりに始めたので、1年を通じた経験を書くことは出来ませんでしたが、今回は2年目のレジデントに関して1年を通じて載せることができるので楽しみになさっててください。

2009年6月18日 (木)

引継ぎ

更新が滞ってしまいました。
引越しのためにボルチモアとフィラデルフィアを行ったりきたりしています。
またフィラデルフィアでのレジデントは新しいレジデントが入ってきており、私たちレジデントはクラークシップの説明やClinical Weekendの説明などの引継ぎ業務を行っています。
そのほか研究の仕上げやボルチモアでのレジデントのための書類作成など細かいことが多く重なるためボルチモアに完全に引越して落ち着くまでは少し更新が滞るかもしれませんがご容赦ください。

2009年6月 7日 (日)

Pharmacy Practice Residentのまとめ

1年目のレジデントもあと3週間で修了です。
1年目のレジデントで学んだことをまとめてみます。

臨床

クラークシップ
急性治療×2(地域病院)
集中治療(地域病院)
外科集中治療(大学病院)
胸部心臓外科集中治療(大学病院)
感染症(大学病院)
腎臓移植(大学病院)
薬局管理(大学病院)
ジャーナルクラブ(論文解析)
症例検討

Staffing業務
Clinical Weekend

研究
1年間の臨床研究
ASHP, Eastern States Conferenceでの学会発表

教育
授業でのファシリテーター
SOAPノートの採点
Continueing Educationでの薬剤師への講義

薬局管理
病院内のFormulary Committeeへの参加とモノグラフの作成
Drug Utilization Evaluationの実行と病院内プロトコールの作成
クラークシップでの会議参加

こうしてまとめてみると1年間で色々な観点から薬局の業務へ参加して学べたことが分かります。
根幹であるクラークシップではほとんどが回診に同行し、担当患者さんの薬物治療を評価しました。学生からレジデントになっての一番大きな違いは、学生のときは副作用や相互作用など薬の観点からしか評価していなかったものが、レジデントになると治療が本当に適切に行われているかガイドラインや論文を元に評価できるようになったことだと思います。

クラークシップはあと1週間、1年目レジデント修了まではあと3週間です。
頑張ります!

2009年5月31日 (日)

最後のClinical Weekend

今日は現在の病院で最後のClinical Weekendでした。
最後だと思うと少し感慨深いですね。

本日の一番大きな介入はバンコマイシンについてでした。
昨夜レジデントの一人がSatff Pharmacistとして働いていたときに一人の患者さんの血清クレアチニンが一日で0.8から1.7に上がっており、バンコマイシン1500mgが12時間ごとに投与されていました。
そこで、そのレジデントは医師に連絡してバンコマイシンを一時中止することを推薦しましたがその医師は受け入れず、昨夜22時のバンコマイシンも投与されました。
レジデントは少なくとも明日の朝(本日のこと)バンコマイシンのトラフ値をチェックしてくれるように推薦し、医師もそれを承諾しました。

その患者さんのことをレジデントから託され、バンコマイシンのトラフ値を待っていました。
私の病院では通常バンコマイシンが10時に投与されますのでその前までにトラフ値がラボから返ってくることを願っていました。
しかしながら、トラフ値は9時半頃になっても返ってこず、今日の血清クレアチニンが2.3であることが分かりました。したがって、患者さんが何らかの理由で急性腎不全の可能性が出てきましたのでStaff Pharmacistと看護師に連絡してバンコマイシンをトラフ値がラボから返ってくるまで投与しないでおくように連絡を入れました。
結局10時過ぎにトラフ値が返ってきて、なんと47(目標値<20)でした。朝6時に計測していますので本来のトラフ値より高いことを考慮しても高すぎます。
結果、医師に連絡して今日のバンコマイシンの投与の中止を推薦し、明日の朝にもう一回バンコマイシンの血中濃度を計測してもらうことも推薦しました。

今日は3つのRapid Response (患者急変対応)と1つのコードブルーもあり忙しい毎日でした。

«腎臓移植外来(入院患者)